水師営の別館

Twitterで呟ききれなかったことや最近気になったことを書くブログです。

野球中継の記憶

プロ野球のキャンプは終わり、3月末の開幕を前にオープン戦が始まりましたね。最後の選抜段階であり、今季の展望を占う大事な調整時期ですね。そして今年はWBC開催年です!どんな試合を見せてくれるのか期待しましょう…公式戦を前に、強化試合・壮行試合、そしてWBC本戦と3月初旬から試合を見られるのは野球ファンとして嬉しい限りです。


こうした国際試合は地上波で放送され盛り上がりますが、公式戦の地上波中継、特にその代表例たる巨人戦のナイター中継は本当に激減しましたね。2009年に巨人戦を長年放送してきた日テレがナイター中継を大幅削減して以来、野球中継=BSもしくはCSという感覚が確立したように思います。今日はその地上波野球中継の話です。


私がプロ野球に興味を持った2003年には毎日地上波で放送されてました。7時になるとチャンネルをすぐに野球中継に合わせ、夕食を食べながら野球好きの父と子が熱中して見ていた記憶があります。そして9時前になると当然のように中継は最大30分~60分の延長。しかしその当時の私は9時頃に寝る決まりだったので翌朝に結果を知ることもありましたね。


BSやCSなんてものはその頃、我が家になかったので地上波で映らない6時から7時はラジオで聴いてたし、中継が延長しそうになると母は9時以降のドラマの予約を修正していました。ビデオデッキは今のハードディスクのように自動で対応してくれないので、そのまま放置していると冒頭数十分が野球中継…という悲劇を引き起こすからです。


この悲劇の積み重ねが特に女性層のアンチプロ野球感情を助長させたのかも…と感じますが、これがつい10数年前の野球中継を囲むありふれた家庭環境だったと思います。バラエティー番組などが野球中継のせいで何週も休止になることもありましたね。北海道や関西など地方では今も地上波中継は健在でしょうが、全国ネットではもはや風前の灯です。


理由は明白で、一に視聴率の凋落、二に価値観の多様化、三にファンの分散でしょう。2005年、5位に終わった巨人の成績はファンの支持を失う要因になりました。また価値観の多様化はスポーツ=野球という図式を崩しました。こうした巨人離れからの野球離れを危惧した他球団は地域密着を加速させた結果、巨人戦は高視聴率コンテンツとしての地位を失いました。


地上波では不人気な野球中継ですが、固定層はいるのでBS等に転進して人気を博しています。地上波の悪ノリがなく、試合終了まで放送してくれるので問題ナシと思う人もいるでしょうが、地上波に比べて存在感が薄まったことは否定できません。BSやCSの普及率は高まってますが、テレビ=地上波の構図は変わってない以上、過去に比べプロ野球を取り囲む環境は厳しくなったと言えます。


満員の球場、BS等での人気はこれまでの野球人気の貯金の結果です。公式戦のナイター中継を知らぬ小中学生が大きくなったとき、プロ野球が気づいたらオワコンとなってしまっては遅いのです。そうならないよう球界全体の努力を願いたいものです。