水師営の別館

プロ野球・時事評論・就活・身の回りを中心にあれこれ述べるTwitterのスピンオフ的ブログ

嘘が嘘を招く(前編)

先日Twitterで紹介した「就活でどこまで盛る?」に関する記事は反響が大きかったです。皆さんもやはり嘘つき事情に関心があるのかと思いました。この記事を引用した人々の中に「嘘ついてなんぼ」や「そんなの昔からあったもの」と概ね肯定する感想が多かったようです。また「嘘は得意じゃないけどそうするしかない」と消極的な追認もありました。



「第一志望です」や「御社の○○という理念や方針に感銘を受けました」という気持ちにかかわる「盛り」は昔からあったという意見は確かに事実でしょう。しかしこれは部分的正解にすぎず、近年の嘘はそこが問題ではないはず。つまり「感情の嘘」でなく「経験や性格の嘘」が蔓延していることが問題なのです。



「会社に入れば嘘もあるのだからこんなの当然」と正当化する人もいましたが、商品の実績や性能を偽る人や企業はいないはずです。相手を持ち上げたり、熱意を表したり、せいぜい弱味を自分から言わない程度でしょう。客はいい気分になる、自分は利益を得る優しい嘘とごまかせるでしょうが、昨今の就活生の嘘は誰にも心地よさや利益をもたらしません。



小遣い稼ぎのバイトが売上げアップになる、自治会でやった地域のゴミ拾いがボランティア団体所属になる、寡黙なのにお喋りキャラになる、参謀キャラが指導者キャラになるなど…これでは方便どころか虚偽、捏造、でっち上げでしょう。たかがバイトで売上げを伸ばせるほど経営は簡単でないし、船頭ばかりいる社会が有史以来どこにあったでしょうか。



Twitterで紹介した記事は「盛り」の主戦場を面接にしてましたが、こんな「盛り」否「捏造」が蔓延したのはやはりエントリーシート(ES)が普及したからでしょう。個人的にESが嫌いということもありますが、記事にある「盛り」面接はESの内容を踏まえて展開される以上、ESの抱える問題点や改善の余地を指摘しない限り捏造合戦は解消されないでしょう。



ESは相互の不一致を減らすため普及したにもかかわらず捏造合戦となってしまっては本末転倒です。例えば、入社してからも指導者キャラを演じるのは苦痛ですし、将来の幹部として採用したにもかかわらず実際は違ってたら企業も不幸でしょう。感情なんてものは変化しますし、気持ちなんてものは秋の空と一緒です。しかし気質はそう簡単に変化しません。



今、会社の根幹を担うのはせいぜい意欲や志望理由を盛った「感情の嘘」世代ですが、これからは「経験や性格の嘘」世代が台頭することでしょう。そんな彼らが主軸となったとき何が起こるか…ごまかすことに長け、表面的なお喋りをコミュ力だと過信して、責任は先送りにする自称リーダーばかり…こんな最悪な未来が幸せや希望と言えるでしょうか。



志願者の個性を求めたにもかかわらず「画一化された」スゴいエピソードが乱立し、人柄を知るために創意工夫を求めたにもかかわらず「マニュアル化された」単なる作文が乱立し、幅広い人材を求めたにもかかわらず「キャラづけされた」いい子ばかりが乱立した現状を解決するにはどうすればいいのか?これは後半に続けることにします。