水師営の別館

プロ野球・時事評論・就活・身の回りを中心にあれこれ述べるTwitterのスピンオフ的ブログ

緊縮財政に囲まれて

4年超の景気回復と言うが

今月15日の内閣府での景気動向指数研究会にて第二次安倍政権発足以来、景気は継続して拡大中と判断されました。確かに株価は政権交代前に比べ倍以上に、為替も極端な円高から脱しました。大学生の就職率向上は身近な話題として感じられるものでしょう。その他の雇用統計も順調に回復していることから経済政策に一定の成果が現れていると見ていいはずです。


しかしもっとも景気回復が分かりやすく実感できる給与や個人消費の伸び悩みは依然として大きな課題です。給料が増える、その分欲しいものやサービスに使える、その需要の高まりに企業も応えるという好循環のないデフレ時代に戻らないためにも「個人消費」を促す政策を期待したいです。「プレミアムフライデー」や「キッズウィーク」といった外形的な政策では効果なしでしょう。


とにかく消費が弱い

6月の月例報告では個人消費に持ち直しの動きが見られるとして上方修正をしました。しかし例えるなら生まれたばかりの子供がヨチヨチと歩き始めたレベルでこれを楽観視、好評価することはできません。総じて日々の生活レベルで言えばまだまだ財布の紐は固く閉じられたままなのが現状です。国民の財布にゆとりが出ないと消費は実行されませんからね。


現在の景気回復の牽引は輸出でありますが、国内総生産の6割程度が消費に支えられています。ここを動かさないと全体の推進力が生まれないのは明白なことでしょう。米国の景気回復にも支えられ株価や為替がいいからこそ個人消費を刺激するために敢然と「金融緩和と積極財政の並行」を打ち出し、「消費税増税は実施しない」ことが重要なはずです。しかし今の日本では厳しいのが現実です。


新聞も政党も緊縮を推進

国民世論を形成する新聞やテレビ、特に社説などで独自色を発揮できる新聞は総じて「緊縮財政」志向です。2度にわたる消費税増税の延期を全国紙すべてが反対しました。一部の新聞は金融緩和にも財政出動にも否定的であり効果がないとまで断言します。その一方で新聞の軽減税率適応を要求するなどご都合主義にも程がありますが「財政破綻」回避の主張で10%増税の堅持などを求めます。


2012年に「税と社会保障の一体改革」の合意が自公民でなされました。自民党総裁の交代、政権交代もありこの合意に基づく増税計画にはブレーキがかかったものの今の政権与党が積極財政の政党とは言えません。安倍首相に距離を置く人や税調メンバーを中心とする国会議員は金融緩和の「出口戦略」を唱え始めたり、増税に肯定的な意見やPBの何が何でも堅持することを求めています。


平等に貧しくなろうの脱成長論

緊縮志向の自民党に対し野党第一党民進党はどうかというと「緊縮路線貫徹」政党です。反アベノミクスなので金融緩和も積極財政にも否定的であり、公共事業削減が民主時代からの傾向です。なお6月に発表された「尊厳ある生活保障総合調査会」の中間報告は「増税と分配」政策の鮮明化でありました。


増税社会保障の財源を確保し、医療や教育サービスを提供し、将来不安を解決するという考えです。これでは課題の個人消費を完全に潰し、低・中所得層の負担増が現在の雇用と所得不安を招く可能性があります。そのような状況で分配の原資の減少も予想されます。じり貧で減り行くパイを分けあう「平等に貧しい社会」が国民に示す未来像に耐え得るか疑問です。北欧の真似っこが腐っても経済大国の日本で成功するのでしょうか?


英国総選挙で躍進した労働党は国民の緊縮財政批判の声を拾い躍進しました。これをできない日本の野党、そして緊縮路線を捨てきれず中途半端なアクセルしか踏めない日本の与党とどちらも緊縮政党しかいない状況に私は不満を感じています。緊縮財政への突破力、これが今の政治に求められる力ではないでしょうか?