水師営の別館

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大竹、魔の6回

4番目の先発がいない

現在4位に位置する巨人軍は長野が一時の大不振から脱出し、2番セカンドマギーのカードをついに切り、陽や亀井で下位を固定できるようになりました。もちろん波のある長野、守備の脆弱さが露呈したマギーと課題はありますが、打線の顔触れが固まったことに私は安心感を抱きます。


しかし計算できる4番目以降の先発投手が依然として存在せず、この問題が「借金返済」できない大きな要因と思われます。4番目に立候補しては背信の投球を続ける投手ばかり増えるのが現在の巨人です。その中で今日は何度もチャンスを与えられながら「同じ」失敗をする大竹寛投手についてお話しします。


FAで来たけれど…

2014年シーズンから巨人に入団した大竹は初年度を9勝6敗の成績で終え、3勝4敗、6勝6敗という不完全燃焼の成績が続いています。正直、巨人にいるかいらないかと言われれば答えに窮する存在です。4年目の今年こそは決意に満ちているだろうとは思いましたが、失望させる結果となってしまいました。


5月に4勝目を挙げて以来、一軍と二軍を往復する状態が続いています。ベテランの内海もイマイチ、先発格投手のケガや中継ぎ転換で先発枠に余裕がある奇跡的なチャンスを生かしきれない彼のふがいなさはただ一点「6回を投げきれない」に尽きます。まるで人が変わったかのように四球を出し、連打され途中降板する回数の多さは深刻なものです。


どうして投げられないのか?

ファンの不安がそのまま的中する大竹ですが、打たれる理由は「打順の巡り合わせ」と「精神的な問題」でしょう。5回まで好投するとだいたい上位打線の3巡目と対決してしまいます。どんな投手でも意識せずにはいられないし、警戒しますが、彼の場合はそれが過剰になって悪循環になっていると私は考えます。


その過剰反応でカウントを悪くした結果四球を出したり、ストライク欲しさに置きにいったボールを痛打されたりすることが多いのではないでしょうか?また本人も同じことを繰り返してることは認識しているはずでしょうが、その記憶に引っ張られるあまりに自然と萎縮した投球になっているのかもしれません。


克服できるか問われる大竹

早々に降板する投球を繰り返されては中継ぎ全体への負荷が大きくなってしまいます。中継ぎは試合で投げなくとも、ブルペンで肩を作るだけで身も心もすり減ると聞きます。今の大竹では慌ただしいブルペンを生み出し、中継ぎ陣の疲労の蓄積は試合終盤での失点を許す土壌を作るだけです。マシンガン継投を許すチームでは上位進出は厳しいでしょう。


二桁勝利を4度、弱い時期の広島を一年通して支えた大竹なだけに実力も体力もまだあるはずです。打線の巡り合わせは避けられず、精神的問題を解決するしか「魔の6回」の克服はありません。性格のよさから来るのか分かりませんが、過去は過去と切り替え、トラウマに囚われず投げるしかありません。あとがない大竹のシーズン終盤戦での生まれ変わりを切に願いたいです。