水師営の別館

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【陣風賦】H30.6.30

「働き方は人並みで十分」と考える新入社員が6割超という調査結果が公表された。そこそこ働きそこそこ稼ぎ、しっかり休みたいという気持ちの現れだと思うと当然の回答であろう。労働を取り巻く環境にシビアな目を向ける20代らしい考えだ。


▼私も約3か月間働いて思ったのは、人並み以上に働いても「旨み」があまりないということだ。要は人並み以上に働いたところで、昇進や給与に反映されるわけでもなく、むしろ仕事量が増えるだけで損するからだ。人並みに働けば給与も役職も上がる典型的な年功序列の企業なので、その辺のモチベはない。


▼2000年代後半から徐々に焦点が当てられた「過労死問題」やフラットな人間関係を希望する若い世代と会社との認識のズレ、会社を自らの居場所とは思わない感覚など要因は様々あろう。労働を苦役と思う考えがここにきて表面化したにすぎない。


▼そもそも日本人は仕事好きでも、労働に生き甲斐を感じているわけでもないということが国際的な調査でも明らかになっている。美徳とされていたこれまでの価値観は実は嘘っぱちで、みんな渋々働いていたに過ぎなかったということだ。


▼もちろん好景気の頃は努力が金銭という形で反映され、人並み以上の労働に対価が支払われたから前向きな姿勢に多少はなれたのかもしれない。しかし昨今は、効率化を叫びながらもそれを促す研修やフォローも乏しく「OJT」という名の下で放任されながら、困惑する新入社員も多いことだろう。


▼すべてを総合すると「報われない」という気持ちに尽きるのだろう。お金や名声で報われないのなら「時間だけは誰もが平等にある。これだけは死守しよう」とプライベートの時間を優先するのも自然なことである。「誠意とは言葉ではなくお金」という言葉もある。そのお金すら保障できないのなら、休みくらいは十分に保障するのが道理ではなかろうか。