水師営の別館

Twitterで呟ききれなかったことや最近気になったことを書くブログです。

遥かなるその日まで 「死ぬまで働くって幸せ?」

人生100年時代と言うけれど

日本人の平均寿命は伸びゆく一方であり今や人生80年どころか100年と言われています。我々若い世代の人生は今後の医療の発達を踏まえると、言葉通り1世紀近いものとなるでしょう。そしてやはり老後は自分達の祖父母や近しい年配者のように悠々自適に余生を過ごしたいと願う人も多いのではないでしょうか。


しかしどうも社会は悠々自適あるいは趣味や娯楽に生きる老後を認めない雰囲気です。ネット記事を開けば「生涯現役」だの「年金で足りないお金は働いて稼ごう」と推奨しますし、政府も高齢者の定義を変えようとしたり、定年を延長ないしは廃止させたりしようと画策しています。つまりは「死ぬまで働け」と宣告しているようなものです。

なんか理不尽で損した気分

少子高齢化のもと働き手を維持するために働ける人には働いてもらう意図はよく分かります。とはいえ今の高齢者の多くが享受する余暇や余生もなく、老体に鞭を打って働くことを強いられるのは一度きりの人生を労働に捧げるようなもので理不尽さを覚えます。仕事人間、モーレツ社員が失われた概念になった我々世代が、なぜ一生を労働に費やさなければならないのか釈然としません。


仕事とは単にお金を稼ぐだけではなく、社会的な繋がりを維持したり、自己実現をするためにあったりするのだと言う人もいるでしょう。しかし、職場だけが社会との繋がりであった時代は過ぎ去りましたし、所得が増えず、劣悪な労働環境が問題視されるようになった昨今において労働で自己実現という価値が成り立つのはもはや困難かと思います。

懲役40年というネットスラング

死ぬまで働けという潮流に冷ややかな、否定的な反応として「懲役40年」という言葉があります。新卒で就職して60歳~65歳の定年まで会社で働き続けるという姿を皮肉を込めて表現したものです。一つの会社で勤めあげるといかなくとも、結局は老いるまで働き続けないといけないわけですから、それに対する忌避感、絶望感を表したまさに言い得て妙な言葉だと感じます。


ところが定年延長、廃止となると「懲役40年」どころか「終身刑」です。「あと◯年頑張ったら定年」というモチベーションでなんとか働いているお父さん世代の背中をまさに見てきた子世代にとってこのゴールなき労働がどう映るのか考えるべきでしょう。平均寿命は伸びても、健康寿命は横ばいな現状だと、税金だけ納めて死ぬ要員を増やしたいだけとしか思えません。

若いうちから備えを

もし今の仕事を天職に思うなら、それは幸せなことであり働き続ければいいでしょう。しかし私のように仕事は生活やお金のためと割り切る人は20代のうちから蓄えるべきでしょう。年功序列の賃金が保障されているとは限りませんから早めの対策が死ぬまで働けを回避できる唯一の道です。そして早期リタイアを夢見る私のような風変わりな人はそのペースを20代から加速させて準備しましょう。


40代半ばでの早期リタイアを想定してすでに貯金を始め、その計画を立てた私は稀少な存在でしょうが、長い長い人生が待っているというのは誰しもに与えられた課題です。健康、社会との繋がり、一生の趣味など生きがいを見つける準備に遅いということはありません。これについて若いうちから考えて無駄ではないと思います。