水師営の別館

Twitterで呟ききれなかったことや最近気になったことを書くブログです。

20代からの早期リタイア計画「キリンの早期退職に思う」

希望退職という名のリストラ

飲料大手のキリンからこんなニュースが出ました。(詳細はリンク参照)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190927-00215955-diamond-bus_all
ざっくり言うと45歳以上の社員に希望退職を募り、会社の業績がいいうちに人件費を圧縮したいということです。要は給料は高いが、部下や責任のない社員を狙い打ちした体のいいリストラでしょう。


士気の低下は避けられない

全員が全員優秀で、部下を持つ管理職になれるわけではありません。この会社は中高年になると簡単にクビを切る組織なんだとネガティブな印象を与えることは間違いありません。「無能なおっさんがいなくてなってザマア」と感じる人もいるでしょうが、明日は我が身と捉える人も多いはずです。


バブル世代から就職氷河期初期を対象にした希望退職ですが、採用人数が多いと言われる我々世代にとってはキリン社員に限らず無視できない話でしょう。人数に偏りが生まれた採用をした責任は企業にあるわけですが、会社は簡単に肩を叩きに来ると自覚するしかありません。
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(これがバブル世代に比べて多いのか少ないのかは分からないが結構な数ですね。)


若者への投資は期待しない方がよい

記事のなかでは希望退職を募り、浮いた人件費を成長分野への投資に充てたいとのことでした。そのなかで若い感性を重視したいとのことですが、たとえ感性を重視してもそれが賃金や福利厚生につながるとまでは言えません。いわゆる「やりがい搾取」につながるだけではないかと冷めた目で見ています。


バブル崩壊後、初任給は横ばいで賃金が下がりゆくある状況で企業がいきなり賃金引き上げを行うとは到底信じられないからです。人への投資、士気向上のために、そして何より需要の創出のためには賃金アップが欠かせません。しかし私は安く使える頑丈な兵隊が欲しいだけにしか感じられません。


社内の士気低下、低賃金とそれに見合わない労働負荷が招く経済への悪影響を強く懸念しますが、経営層は短期的な成果だけを望んでいるとしか言えません。雇用と所得の安定と底上げが消費促進や将来への希望につながるにも関わらず逆行する流れが加速しています。消費税増税後、世界経済の減速も相まって早期退職は続出する可能性は高いでしょう。


45歳を見据えた将来設計を

対岸の火事と思わず危機感を抱く必要がありますが、そのためにスキルを上げるだの、人材価値を高めるだの言う人がいます。しかしそれは失われた30年間が示すように意味がないとは言いませんが、効果は薄いものではないでしょうか。年収は資格やスキルよりどこに入ったかで左右しますし、時の経済状況で就職戦線の厳しさは変わります。


現実は残酷だと本当に感じますが、ではどうすればよいか。それは若いうちから45歳頃に何があっても耐え得る資産を築くことです。資格の一つや二つよりお金が何より大事です。この年齢までにどんな生活を送りたいか想像し、日頃から家計を管理する。そして単に貯金するだけではなく時機を見計らって投資もする。


もちろん現在ブラック企業にいる人は早く転職した方がいいですが、転職が賃金や労働環境にとって博打になる人は20代から早期リタイアをするつもりで資産形成を行ってみましょう。中高年時の危機が退職金積み増しで進んで退職できるかもしれません。日々の倹約や家計管理が短期的にも、中長期的にも大きな恩恵をもたらすことでしょう。