水師営の別館

Twitterで呟ききれなかったことや最近気になったことを書くブログです。

衆議院総選挙を前に「エネルギー政策」

暮らしを支えるエネルギー政策が問われている

皆さんの日常を支えるインフラには電力、ガス、水道があります。どれも生活には欠かせませんが、特に電力は社会経済活動の根幹を担い、安定供給が絶対条件となっています。その電力に関わるエネルギー政策が今回の総選挙では重要な政策の一つとなっています。各政党、それぞれがエネルギー政策を述べているのでぜひ調べてみてください。今回はそうした政策を踏まえた上で私の考えを発表し、あるべきエネルギー政策の姿を伝えたいと思います。


再エネを伸ばすことは脱炭素社会には不可欠

政府が閣議決定した「エネルギー基本計画」によると太陽光、風力に代表される再生可能エネルギーを、2030年度の電源構成比率について、現状の約2倍の36~38%に拡大することにしました。内訳は、太陽光が14~16%、風力が5%、地熱が1%、水力が11%、バイオマスが5%です。地球規模で問題となっている気候変動問題に対処するためにも環境に優しい発電を推進していくことは理解できます。特に太陽光発電を重視していることが分かります。


しかし闇雲な太陽光パネルの造設は景観を損ねたり、災害時に周辺へ影響が生じたりとデメリットもあります。家庭用に設置を推進することは進めてもいいですが、大規模な太陽光発電は土地の安全性や周辺住民への理解を得て進めてほしいものです。「脱炭素」は世界的な目標となっています。国際的な目標に協力するためにも再生可能エネルギーを主力電源にすることは私も異論がありません。


バックアップとしての火力、原子力の役割は大きい

しかし再生可能エネルギーは発電が天候に左右されやすいというデメリットがあります。再エネの主力電源化の裏にはバックアップとなる電源が備えていることが欠かせません。そのためにエネルギー基本計画では火力が41%、原子力が従来目標の20~22%を維持することになりました。電力の安定供給のためにも不安定な再エネだけに頼るのではなく火力、原子力のベストミックスが必要だと考えています。


特に原子力は重要なベースロード電源と位置づけられ実用段階にある「脱炭素電源」と評価されています。脱炭素と安定供給の両方を実現してくためにも原子力発電の再稼働は不可欠です。今の稼働状況は遅すぎです。迅速な議論と丁寧な地元理解を行うことで2030年度の電源構成比率を達成すべきだと考えます。原子力発電の活用のためには将来的な新増設や小型原子炉の開発などにも挑戦していくことが必要だと考えています。


エネルギー全体を見て現実的な判断を

再生可能エネルギーのメリット、デメリットは上述した通りですが、火力発電についても安定性はありますが特にLNG、石炭の資源高といったリスク、環境保護の推進という条件下での活用と一つのエネルギーで解決できるという道はありません。原子力もまた重大な事故を起こさぬよう安全の徹底と核燃料サイクルへの議論と課題があります。どのようなエネルギーバランスが「経済的であり、環境的であり、安定的である」かを現実的に議論することが政治の役割でしょう。



個人的には再生可能エネルギーの推進により生じた「再エネ賦課金」が家計の負担になっているように感じます。さらなる再エネの活用が、送電網の増強費用や蓄電池の導入コストなどで消費者の負担とならぬように制度設計をお願いしたいものです。今回政府が定めた計画をもとに2030年度に向けて各電源構成の実現に向けて動くと思いますが、家計や産業の負担はなるべく抑えて実現可能性のある政策を実行、議論してほしいです。