水師営の別館

Twitterで呟ききれなかったことや最近気になったことを書くブログです。

君たちはなぜ投資をしないのか

岸田首相が唱える「資産所得倍増」

岸田首相は「新しい資本主義」のための実行計画案を策定しました。その中では2,000兆円にのぼる個人の金融資産を投資に向けるため、NISAの改革を含む「資産所得倍増プラン」を年末までに作成する方針です。かつて総裁選では「令和版所得倍増」を訴えましたがこれについてはうやむやになり新たに資産所得倍増を訴えたように思います。貯蓄から投資へという流れは政府の強い目標ですが、国民の間ではそんなことできないよと否定的な受け止めをされています。
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過去30年間、増えない所得とじりじり上がりつつある物価と重くのしかかる税金や社会保険料を思うとこうしたネガティブな世論調査の結果も分かりますが、それにしても日本人は投資に対して及び腰で避けているなと思わされます。確かに資産所得倍増計画は唐突で国民の所得向上に対して無責任ですが、これからの日本人は投資を食わず嫌いせず少額からでも実践すべきです。従来の投資への忌避感はマスコミと教育の責任でしょうが、正しく投資のメリットデメリットを比較した上でもっと多くの人に挑戦してもらうべき存在だと思います。


株式投資はギャンブルという考えは不適当

皆さんは株式投資をギャンブルと思いますか?もしギャンブルと思うならそれは投資ではなく投機ではないでしょうか。また短期的な利益獲得を前提に勝ち負けをはっきりさせた勝負のことだと思っていないでしょうか。確かにデイトレードなど瞬間的な値動きに期待したやり方もありますが、それは株式投資の一側面に過ぎません。さらに投資先が倒産して株が紙切れになるかもしれないと思う人もいるでしょうが、投資先を選べばそのリスクは限りなくゼロに近づけることができます。


株式投資をギャンブルと思う人はそのリスクしか見てないかつリスクに強く委ねたやり方のことしか投資と思ってないように思います。例えるなら株式投資のことを「どうぶつの森のカブ価」にしか思ってないならそれはギャンブルかもしれません。しかしリスクの取り方、運用のスタンスをあらかじめ定めていればむしろ投資した側にリターンの大きいものになります。私が強く主張したいのは投資の様々なスタイルを知り、その手法にはグラデーションがあるということです。


資本主義のルールを上手く活用すべき

私たち日本人は資本主義経済のもとで暮らしています。従って我々が資本主義の中で生きていくことは必然だと言えます。私は経済学を専攻してないので専門的なことは言えませんが、資本主義は個人の自由と責任に基づいて他者と競争をする中で富を拡大させ
ていく仕組みだと思います。富める者は富み、豊かになっていくというのが剥き出しの資本主義のあり方かと思います。しかし経済的自由は経済的格差を生み、治安や社会秩序の不安定化を招き先人たちは修正を図りながらその負の側面を小さくするようにしてきたのも事実です。岸田首相の新しい資本主義もその修正の一環でしょう。


その仕組みを見たとき、単に労働者として賃労働をして所得を得るだけでなく、資本に参画してその成果を分配してもらう道もあると認識した方が富を拡大させることにつながると思います。分かりやすく言うと収入の貰い方を増やした方が資本主義経済のルールではオイシイということです。さらに言えば資産運用により得られる富は、労働によって得られる富よりも成長が早いのです。(ピケティのr>gを参照してください)自らが資本を持ち経営者になることは難しくとも、株主として資本に参画することはたやすいということを忘れないでください。


投資はリスクを組み込んだ資産形成

従って資本主義の中で生きる以上、投資は資本主義の中で有利に生きるためにも必要な行為であり、労働によって積み重ねられた富を資本主義の中で運用することは長期的に見ればメリットが多いと言えます。確かにある株式をある金額で購入して2日後、7日後に元本割れをする可能性はありますが5年、10年という時間の中で運用すれば株価は上がっている可能性が高いのです。(米国のS&P500指数は30年前と比べて12.4倍になった)前述したようにリスクのかけ方にはグラデーションがあり、限りなく低くすることもできるとお伝えしました。


リスク回避的な投資も可能であり、その場合ギャンブルのような一か八かではなく少しずつ富を拡大させることも可能です。持ち金がゼロになる確率よりも配当益や売却益で豊かになる確率の方が高いなら投資はやるしかないと思います。イメージだけで投資を否定するのではなく、実際にやってる人や専門家の意見をまずは聞いてみることから始めるといいでしょう。もしあなたやあなたの知ってる人が100万円や3000万円などを持っているとしてそれを定期預金に預けるなら、低金利の時代ですからお金は増えません。銀行を金庫代わりにするならそれでもいいでしょうが、どうせならお金にも働いてもらいましょう。投資による資産形成でちょっとずつ豊かになってみませんか?