水師営の別館

プロ野球・時事評論・就活・身の回りを中心にあれこれ述べるTwitterのスピンオフ的ブログ

「人財」表記の怪

新入社員は入社式、就活生はエントリーシートという怪文書の作成に励む時期に入りましたね。ありもしない経歴や人格を語るのは止めようと思う私は自分が経験したことの美化に励んでいるところです。しょーもない経験談があら不思議、一気に美談と化します。そんな中、私が最近気になっているのが一部の企業で使う「人財」という表記です。



私はこれを初めて見聞きした瞬間、言葉にできない違和感と居心地の悪さを感じました。普通に人材とか人事という表記で採用活動に努める企業もある中、人財と臆面もなく使う企業が一定数いることに疑問を拭えません。なぜ一般的な単語を使えないのか、材を財にする意義、単語を変えたことによって具体的に何か変わったのか等々気になるばかりです。



説明会に登壇する彼らいわく「弊社は社員を『もの』ではなく『財(たから)』だと考えてる。人こそが弊社の強みの源である」と…高らかな理念を掲げるほど胡散臭いと感じられる「ありがたーい」お言葉です。誠意とは言葉ではなく態度で示せと思う就活生はどれだけいるのか?でもこの言葉に感動する子の方が多そうだなと心の中で冷笑する自分がいます。



人材を人財と称す企業全てがブラック企業と言いません。しかしあえてそうする理由の裏を知りたいと思うのは私だけでしょうか?具体的な労働環境の整備より言葉を飾ることが目的になっているのではないかと感じます。「会社は社員に優しい。みんな『やりがい』を持って働いてる。」そう語ることとセットで人財と語るからなおさら猜疑心が増幅します。



ではあなたの一番身近にいる社会人、すなわち親は会社の優しさとかやりがいを我が子に語っているでしょうか?少なくとも私は聞いたことありません。やりがいなんて当然なく、理不尽なことや拘束時間の長さを嘆く言葉の方が多かったです。それが現実なのに財だの財産だの臭いセリフを聞かされても心に響きません。



それならそんなお題目なんて唱えず、さらっと流して業務内容や募集要項、給与など現実的なお話に時間を割いてほしいものです。働き始めてから分かることの方がたくさんあるでしょう、楽しさとか苦しさとか嘆かわしさとか…たかが学生の分際で未来への希望というハードルを上げることは止めておこうと心に留めています。



そもそも「材」という漢字にはすでに「才能」という意味が入っています。わざわざ「財」とモノ扱いするより、個人(の才能)を重視する点で人材は問題ありません。しかし氾濫する人財というワード…これは空虚な言葉遊びや上っ面の良し悪しの競い合い、軽薄な自惚れにまみれた社会の風潮が生んだのでしょう。ぜひ皆さんも企業が人財という言葉を使ってるかにも注目してみてください。