水師営の別館

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小林か、宇佐見か

松本の空に輝いたアーチ

決戦の9月、必勝の9月がやってきた。その総力を結集して残り僅かのシーズンを戦い抜き、勝ち抜くことが上位浮上への唯一の途であろう。そのような決意の中、5日の試合での勝利は大きな1勝であった。あと一球で試合終了という窮地から代打宇佐見が放った打球はチームを救い、後のサヨナラアーチを演出した。


その起死回生の同点弾を放った彼への巨人ファンの感動、感嘆は想像するまでもない。プロ初本塁打がサヨナラアーチ、プロ初スタメンでも本塁打を放つという赫々たる成果を納める2年目の新星への期待はまたしても高まった。今や不足する左の大砲の後継者として育成すべきとの待望論がファンの間で強まっている。


小林との競争激化は必至か

しかし現在正捕手の座にあるのは4年目の小林である。阿部の一塁手転向以来、期待の若手として徐々に出場試合数を伸ばしてきた。しかし打率は2割前後で低迷し、見た目に反して鈍足だが、これをもって批判一辺倒になることには注意しなければならない。強肩と投手陣からの信頼感はまだまだ小林に軍配が上がる。


盗塁阻止率のみならず盗塁企画数の少なさは大きな強みである。投手陣とのコミュニケーションの充実さは彼らのヒーローインタビューでの小林への感謝の言葉の数々から理解できる。しかしこれら信頼感は継続して起用されて成立するものであり、リードもまた一軍の舞台にいてこそ上達するものであるから、現在の小林一強が約束されたわけではない。


あの打撃力はやはり魅力的

使い続けたらリードや信頼感は上達するだろうが、打撃力はそう簡単に伸びゆくものではない。やはり天性の才能や元来持つパワーやミートが基本となるものと思うと小林は次第に劣勢に立たされる可能性は否定できない。数少ない好機で結果を残し続ける宇佐見の猛追がこのまま続くかどうかは分からないが、小林自身が変革を強いられることは間違いない。


阿部の打撃力は希代の才能と水準であるから、これを普通と思って期待するのは酷だが、小林にはもう少し打率や出塁率を上げてほしいというのが私の素直な願いである。8番、9番が自動アウトではあまりにも相手チームとの差が大きい。あの阿部もまた当初はリードの未熟さを指摘されながらも、持ち前の打撃でカバーしながら着実に成長し、時代を代表する捕手になったからだ。


ライバル登場で相乗作用なるか?

小林が現時点では優位なことには変わりはないが、宇佐見の打撃力は気になるところとである。またその宇佐見の活躍が一時的なものなのか、継続的なものなのか見極める必要もある。そのためには代打宇佐見では不十分だろう。3位滑り込みを目指す非常時とはいえ打線が湿りつつある巨人に少しでも刺激を加える要素とならないかとも私は思う。


未熟な、単調なリードが露呈するかもしれないが、まさに実践的で、緊張感あるこれからの試合を経験することは価値がある。スタメン宇佐見とまでいかなくとも途中出場の時間を多めにとることは可能だろうし、単年の覚醒で終わらせるには勿体ない。このライバル登場という初めての経験は小林にとっても、チームにとっても利益があるはずだ。大いに競争してほしい。