水師営の別館

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【陣風賦】R2.2.22「消費税増税と安倍政権」

景気は「緩やかに回復」していると月例経済報告で発表したが果たしてそれは本当なのだろうか。そう思わせる経済指標が次々に発表されている。今年度の10月~12月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率6・3%減の大幅なマイナス成長だった。これは今、問題の新型肺炎を想定していない。このままだと次の四半期もマイナスと予想される。


▼暖冬や大型台風の直撃が影響したとのことだが、消費税増税が影響したと言わざるを得ない。経済政策の失敗が原因であることを自覚すべきだ。特に個人消費と設備投資が振るわなかった。消費を冷え込ませるとの事前の警告もむなしく断行されてしまった増税インパクトを政府は真剣に捉えているのだろうか。


▼「日本を取り戻す」とのキャッチコピーの下、政権交代を果たした安倍政権だが、政権奪還の原動力は魅力的な経済政策だった。大規模な金融緩和、機動的な財政出動、そして成長戦略の三本の矢はデフレと円高にあえぐ日本経済に大きな刺激を与えた。


▼それから7年が経過した。実際に行ったのは二度の増税である。確かに金融緩和は実施されているが、この増税では効果を打ち消すのも同然だ。後世の人たちからは増税を繰り返し、景気回復の芽を摘んだ内閣だと認識されるに違いない。


▼長期政権の終わりは桜を見る会でも検事長の定年延長問題でもなく経済政策における失政ではないだろうか。多くの国民の期待を裏切ってなお回復にあると強弁するのは無理がある。このままでは太平洋戦争時における「大本営発表」と一緒である。戦局を誤り、現実を直視しないままの誇張は破滅を招く。