水師営の別館

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【陣風賦】H30.9.15「就活ルールの廃止論」

先日、経団連の中西会長が2021年大学卒業からの「就活ルール」の廃止を提案した。中西会長はあくまでも個人の意見としたが、財界トップから発せられたこの言葉は政界、大学、その他財界関係者を巻き込むものとなった。大学3年3月に説明会解禁、同4年6月に面接開始という現行ルールが変わるかもしれないとなり、その当事者である学生にとって大きな関心事であることは言うまでもない。


▼学生の選択肢を増やし、これまでの就活慣行の改善につながる契機になるか。賛否両論真っ二つに別れている。なるべく多くの学生にとって恩恵を被る結論を出したいところだ。


▼就活ルールの廃止が議論の俎上に挙がっているが、実態としてはすでに就活の早期化は進んでいる。大学3年の夏から始めるインターンシップはその典型例であろう。キャリア教育、ミスマッチ回避という効果が期待されるが、早くから就活を強いられる学生を思うと憐憫の情すら湧く。


▼私は夏期休暇はしっかり休み、遊びたいと思いインターンシップには参加しなかった。そんな怠惰な学生でもなんとか労働者になれたのも、就活ルールという目安があったからだと思う。さすがに3月からは始めようと重い腰も上がった。


▼このように考えると就活ルールは意識の低い学生にはありがたい存在だった。グローバル化、国際競争力などという企業の事情は関係ないのだ。そもそもそれらに対策を取っても取っても落ちぶれていった失策を思い起こすべきだろう。


▼今以上の長期化となれば、単に時間的な問題だけでなく、地理的、経済的問題も考慮しなければならない。就職先を見極める、腰を据えた就活の裏にはそれを可能にするためのリソースが必要だ。地方と都会、お金に余裕のある学生とない学生の格差は広がりそうだ。


▼こうしたリソースを持つ学生と持たざる学生の格差が広がるのみならず、通年採用に耐えられる人・モノ・カネのある企業とない企業の格差も広がるだろう。雇用のミスマッチどころか雇用にありつけない若者を増やしては誰のための改革なのかとなる。十分に議論してほしい。